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流行る居酒屋とにんにくの関係(安田裕美)
私はお酒が大好き。
この間も、ずっと気になっていた、でもお値段が高そうで足が遠のいていた居酒屋に思い切って行ってみました。
そこは、昔懐かしいたたずまい。個室スタイルのおしゃれな居酒屋です。そのわりには商品価格帯も手に届く感じ、これはおしゃれな若い人たちに受けるだろうなって、思っていました。
席に座ったら、「テーブルにおいてある紙に注文を記入して、店員に渡して下さい」
正直、面倒くさいですよね。
アルコールが入っているとなると、当然間違いも起こるだろうし。。。。
と思っていたら、(というか思っていたのにもかかわらず)早速、番号を間違えて記入してしまい、カキフライではなく「にんにくの丸揚げ」が来てしまうという事態に陥ってしまいました。
多少のにんにくは嫌いではないけれど、「にんにくの丸揚げ」って微妙ですよね。次の日が休みならまだしも、あの強烈な匂い。しかも連れはサービス業、二人とも食べられないメニューだったのです。
でも店員は「ご記入いただいていますので・・・。」
そこで私は言ってみた。「えー、私食べられなーい。○○ちゃん食べられる?」
連れはもちろん「明日仕事だし、ちょっと無理かも・・・」
店員は「え・・・。でも・・・。」
わかりました、と言って受け取ったものの、その時の後味の悪さと、しなくてもいい出費をさせられたと言う感は否めませんでした。もちろん、私が間違えたのだから仕方ない。仕方ないけどでもさー。という気持ち。たかが数百円のものだし、ケチかもしれないけれど、そのあとのお酒はなんだかどこか楽しめなかった気がしました。
たった数百円の売上と、せっかく来てくれた顧客の気持ちを害することって、てんびんにかけることってできるのかなぁ。それに、わざわざ注文を顧客に書かせる意味って・・・。と、いろいろ考えさせられてしまいました。
多分、そのお店の社長はすごくこだわりを持って店作りをし、熱い思いを持ってお店を開店したのだと思います。でも、それが末端の接客員にまで行き届かずに、一人一人が少しの心配りもできないようであれば、それは単なる独りよがりに過ぎません。
例えばここで、「お客様には最高の時間を提供しよう」という社長の思いが接客員に伝わっていたらどうでしょう。そしてその接客員がその社長の思いを理解し、共感していたらどうでしょう。接客員はお客様の間違いを指摘し、数百円の売上を追及することはないはずです。そして、私もそのお店でゆっくりと時間を過ごしたでしょうし、そのお店にまた行きたいと思ったかもしれません。
今、マニュアル教育に対する考え方が見直されています。おかしな日本語だけでなく、そこに接客する人の「気持ち」が入っていないためです。でもその接客する人の気持ちがバラバラでは意味がありません。
その「気持ち」を一つの方向に持っていく最も大切なものが「社長のビジョンを従業員に伝えること」なのです。それは当たり前のことだけれど、日々実践するのは難しいことです。
でも全ての従業員が社長の「熱い思い」に共感できたとき、それがそのお店の原動力となり、結果的にお客様に対する熱いメッセージになるのではないでしょうか?
思いは現実化する?(工藤英一)
人の本心や信念は、言葉ではなく行動に表れます。
話を聴く以上に、行動をよ〜く観察することで、その人がどんな人なのか分かります。逆に、「自分ってどんな人? どんな人間なんだ?」と思ったときにも、人は自分の行動を振り返って、私って「・・・・・な人」なのだと分析するのです。
これを、自己知覚といいます。
ポイントは、たとえ人から強制された行動であっても、自分がとったその行動をもとに「私って・・・な人」なんだ、と思ってしまう点です。
たとえが悪いかもしれませんが、戦時中、中国軍は捕虜収容所を問題なく運営するため、アメリカ人捕虜にある行動をさせていました。中国に好意的な文章を書かせ、収容所内で好意的エッセイのコンテストを開いていたのです。
アメリカ人捕虜は、真意に反しながらも中国に好意的な文章を書き、それを多くの人の面前で読みます。やがて、コンテストで優勝し賞品をもらった捕虜は、周囲の人から「本当に中国に好意的なのではないか?」と疑われるほどになりました。
実は、その捕虜は自分の行為の積み重ねから、だんだんと、本当に中国に好意的な考えを持つように変わっていったのです。
よく、「地位が人を作る」と言いますが、これも同様に、その地位にふさわしい人の行動をみようみまねでやっていると、考え方、信念までもが、その行動に合わせたものに変わっていってしまう例ではないでしょうか。
たとえば、TOP営業マンになりたい。でも、どうしたらなれるのか分らない?
その場合には、とにかく、理想とするTOP営業マンを思い描き(理想の人がいたらその人でもかまいません)、その人の行動の真似をしてみましょう。
きっと、考え方や信念もTOP営業マンのそれに変わってきます。そうしたら、どんどん本当にTOP営業マンに近づいてきます。
店の売上を伸ばしたい。でも、どうしたら良いか分らない?
その場合にも、とにかく、理想とするお店を思い描き、特にその店の接客の真似をしてみましょう(理想のお店があったら、そのお店の真似でもかまいません)。
きっと、考え方や信念が売上の高いお店の店主のそれになっています。
多くの人は出来ないことを思い悩んでいます。
出来ないことで悩まずに、出来ることからどんどん進める。
その最初の一歩が、「理想を思い浮かべ、真似をする」ことです。
簡単なことです。
これは「思い」を現実化する確実な道なのです。
理想とする自分を、できるだけリアルに思い浮かべてください。
その人はどんな行動をしていますか?
社長の涙(塚原美樹)
社長が社員の前で泣くなんて、普通はできませんよね。
女社長だって、社員の前では泣けないだろうと思います。
ですが、私のつたない経験の中で、社員の前で涙をこぼす社長に二人ほど御会いすることがありました。社長が涙を流される瞬間というのは、とても心に残るものです。そのときのことをお話したいと思います。
お一人は、小さなコンサルティング会社をやっている女性社長でした。私はそこの社員だったわけではなく、提携会社の責任者として、その社長と一緒にお仕事をさせていただいていました。
その社長はおおらかで感動家で、人間的なあったかさをとても感じさせる方です。一方、女性特有の感情的な面も強く持っていらっしゃるため、仕事のプレッシャーが高まると、やたらスタッフを叱り飛ばすので、まわりの者はピリピリします。
実は、私もある仕事をする中でその社長にひどく叱られ、腫れ物に触れるようでどうして良いか分からず、オロオロしていました。
けれど、仕事をやり終えたとき、社長はひとりひとりの手を握って涙を流しながら言って下さるのです。
「本当にありがとう。みんなの協力でこの仕事ができた。感動しちゃったわ・・・。」
その涙を見ただけで、今まで叱られたことなんか全部どこかに消えてしまいました。
「この人には嘘がないな。心の深いところで分かってくださる。また、一緒にお仕事をさせていただきたい。」
そんな気持ちにさせられるのです。
その社長とは、今でももおつきあいをさせていただいています。
もうお一人は、長年社員としてお世話になった会社の社長です。
その日は、その会社の年に一度の経営方針発表会の日でした。
長い歴史を持つその会社では、毎年、経営方針発表会を行っていましたが、その年の社長の思いは違っていました。経営革新への強い決意を持ってらっしゃいました。
私は当時、その会社の経営品質推進事務局として、経営革新の裏方役をさせていただいていましたので、社長の思いが違うことに気づいていたのです。
社員全員が会場に集まり、定刻を迎えました。
ところが、重役の一人が現れないのです。
その重役は突然の来客に対応せざるをえず遅刻をしたのですが、社長にとってみれば、こんな大事なときに、肝心の重役がいないことがとても情けないことに感じられたようです。
約10分、その重役の到着を待ち、ようやく社長の話が始まりました。
社長が初めの挨拶をして、いつもどおり方針書の説明を始めました。5分くらいたったときでしょうか。今年の方針の肝心な部分にさしかかったとき、社長は絶句してしまったのです。
おそらく2分か3分。
なんという長い時間に感じられたことでしょう。
社員全員の前で下を向いた社長は、実は涙を流していたのです。
普段、涙など見せたことのない社長です。
自分自身の経営革新への熱い思い、それにもかかわらず社員全員を、ましてや重役さえをも統制できない情けなさ・・・そんな思いが社長に涙を流させたことと思います。
社長はその後、我を取り戻し、経営方針発表会を続け、約2時間のプログラムが終わりました。
経営方針発表会を終えて、私の心の中に残ったのは「社長は本気なのだ」という理解です。
もちろん、経営方針の内容も素晴らしかったですが、それ以上に社長の涙を見たことで、社長の思いが私に伝わったのです。
社長の心がどれだけ社員を動かすことか・・・。
「涙」に限らず、社員は社長の感情を敏感に受け取っているのではないでしょうか。自分の心を伝える経営、もっと言えば、素晴らしい心を持てる経営。これからも、このことを大切にしていきたいと思います。
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